書き手はオトコです。したがって、あくまでも、オトコの目から見た「女性にとってのPTA活動」ということになるでしょう。
さて、この活動に対して、仕事以上の熱意と使命感をもって取り組んでいるかのような〝職能集団〟がいます。「何もそこまで」。自らの意思で、その職責を十二分に全うしている貴い人たちです。このような人たちは、特に小学校のPTAに顕著に見られるようです。いわゆるM字曲線に窪んだ部分にいる人たちが、主たる戦力といえるでしょう。
「子どものため」という、やや抽象的なスローガンのもと、彼女たちは談笑とやり甲斐で多忙な活動をこなしていきます。
そんなPTA活動、平日の昼間が中心です。それが中学となると、やや趣が違うようです。
活動の中心が土曜日になります。生涯学習の一環、という意識でしょうか。
学校は「私たち親にとっても学ぶ場」。子育てもひと段落、働く女性も増える中学校。どうやって時間の都合をつけるか。その折り合いの結果が、「活動の中心が土曜日」なのかもしれません。
一方、小学校。残念ながら、専業主婦の多くはこの活動に消極的です。役員決めの際の〝沈黙〟、そして最終的には〝ジャンケン〟。不幸(・・)にも役員になってしまった場合、いづれかのグループ(委員会)のアタマにならなければなりません。幾人かを束ねる、ということになります。その後、活動が本格化すると、連日のようにどこかで話し合いが行われます。
さて、女性たちの話し合い、なかなか結論は出ません。どうやら、結論を出すことが目的ではない……?本題からはずれても、現状の話題に水を差さない。いわゆる、同調圧力のようなものがはたらくのでしょうか。また、そこに集い、信頼関係を構築するためのラポールトークこそが、彼女たちの大いなる目的なのかもしれません。
子どもを通して女性たちが結束するその様子に接していると、そのしたたかさとしなやかさに、男としては、ただただ臆してしまいそうです。